Ten Years "with" Kunitachi

新年あけましておめでとうございます。

4月になって、桜も咲く頃になっていまさら2012年ブログ一発目です。
前回のブログが12月末だったし内容が2011年を忘却するのはいかがなものか、みたいなものだったから、久しぶりに会った友人には「まさかオマエの2011年はまだ終わっていないのでは・・・。」などと心配されたりもしましたが、いたって私は元気です。
1月・2月・3月と、たくさんの刺激的なヒト・コト・モノとの出会いがあり、色々なことを学ぶ機会に恵まれています。とても楽しく、充実しています。
そして、まだWaiting List待ちのところもあるので行き先が確定ではないながらも、ひとまず夏から留学に行けることが決まりました。まだスタートラインに立っただけ(かどうかも怪しい)の段階だけれど、ひとまず結果が出せたのは、ご指導くださる先生方、いつも刺激をくれる院の仲間たち、応援してくれる友人たち、見守ってくれる家族のおかげです。ありがとうございます。



1)国立と桜と私
今年も国立の桜が咲き始めました。今週の土日あたりで満開になるのでしょうか。
個人的には今年の国立の桜はひとしお感慨深いのですが、それは2002年に初めて国立に住み始めて、ちょうど今年で十年になるからです。


2000年夏休みの8月、高校二年生のときに初めて国立に大学のキャンパスを見に来て、僕はこの町に一目惚れしました。群馬県の田舎町から出てきた高校生にとって、国立の瀟酒で落ち着きのある、洗練された雰囲気はとても魅力的に見え、ここで四年間を過ごす事が出来たら、きっとこの町のように穏やかなオトナになれるだろう、そんな風に感じました。その日以来、この大学が自分の第一志望になりました。
受験では、数学で痛恨のミスをしでかしてしまい、絶対に落ちたと思っていたので、合格者番号の通知書のなかに自分の受験番号(今でも覚えているけれど10405でした)を見つけたときは、あまりにうれしくて腰を抜かしました。本当に、しばらく立ち上がれなかったくらいです。
晴れて2002年4月に入学して、当時は禁止されていなかった大学通りの桜並木の下のお花見(サークル新歓コンパ)に顔を出し、なぜか入る気もない競技ダンス部のキレイなおねいさんたちに促されるまま飲み、吐いたのも今となってはいい思い出です。
就職していた2006年の一年間を除けば、上京してきた2002年から現在の2012年に至るまで、この十年間は国立とともにあった十年間でした。ここで、たくさんの素晴らしい人たちと出会い、泣いたり怒ったり笑ったり、色々な事を話しました。

といっても、国立の美しい面を称えるばかりではいけないのかもしれません。「国立」という地名は、両隣にある「国分寺」と「立川」のそれぞれの頭文字を取って出来ています。しばしば言われる事だけれど、いわゆる「文教都市」国立は、ギャンブルや風俗店などといった「文教」的価値観にふさわしくないものをすべて両隣に排除する形で成立しているともいえる、とても人工的な町です。そこで自分が「学問」をするということの意義は、自明だとみなされるべきではなく、一度広い文脈の内に位置づけられて然るべきだろうと思います—―例えば、自律言語芸術を唱え、その美的完成度を称えられるモダニズム文学が、特にそれが描かれた同時代においては、高等教育を受けて文化資本を蓄積することができた社会層以外にはアクセスしがたいものであったこととも似て。


それでも、18才から28才になるまでの10年間をこの町で過ごしてきたから、国立はその良いところも悪いところも含めて、自分のかけがえのない構成要素の一つになっています。


その国立を、今年8月にいよいよ離れます。
ちょうど10年間。
自分なりに真剣に生きました。あとで振り返った時にも、きっと後悔はないだろうと思います。


今日はよく晴れた空の下で三分咲きの桜を見ていたら、新しい出発が何かに祝われているような暖かい気持ちになれました。

また一年生として再出発です。何だってフルパワーでやってやろうじゃないか、そう思います。



2)3つの箇条書き
3月の3週目に、衝撃や刺激や感銘を受ける事がいくつかまとめて起こった(内容的にこれは敬体ではしっくりこないので、常体で書く)。

一度このブログに途中まで書きかけたものの、書くことはできないしまた書こうとするべきでもないと悟り、思いとどまった。
しかし、時間がどんどんそれらを「過去」にしてしまい、一月も経たないのにそれらが意識から遠のきかけているのを感じ、それではいけないようにも思う。なので、自分に向けて三つだけ箇条書きを残し、折に触れて想起できるようにしておきたいと思った。

・「 」
・「誰に向けて語るのか」
・「コンセントの向こう側」



3)春ソング
そんなわけで春ですので、祝福と希望に満ちた三曲をば。

I hope tomorrow you'll find better things!