建設的/委託/募金

3月11日、大学で開催されたシンポジウムに参加中、ゲストスピーカーの先生がご発表をなさっていると会場の教室がえらく揺れる。
東日本大震災だった。


自分が住んでいる西東京では交通の乱れ以外にはそこまで大きな被害は出なかったが、3月13日現在、新聞やテレビニュースなどのマスメディアからの情報・映像は、東北の人々がいかに甚大な被害に遭っているかを伝えている。
マスメディア以外にも、もっとミクロなレベルのメディア、twitterやブログやfacebookもさまざまな情報を流通させている。
自分にできることは何か、どんな姿勢でいるべきなのかと考えながらこれらのミクロなメディアを読んでいく中で、極めてまっとうだと思われる意見が書かれたブログが2つあったので、そのリンクを載せつつ、自分なりに今大切だと思われることをメモしておく。


1)マサチューセッツ在住の作家・コラムニスト・翻訳家の渡辺由佳里さんのブログの、3/12のエントリー。
http://ht.ly/4d1o8


2)言わずと知れた内田樹さんのブログから、3/13のエントリー
http://blog.tatsuru.com/



この二つのブログから自分なりに心がけたいと思うことを抽出すると、

1)否定的な言葉を発するのは抑制する
渡辺さんのブログが主張するように、「〜してくれない」や「あてにならない」という言葉を今発することは、害にしかならないと思う。現場の人たちは体を張って全力で救助・支援に臨んでくれているのだから、これらの言葉は悪口にはなっても正当な批判にはなりえず、何も生み出さないだろう。しかも、これらの言葉が広まっていくと、自分が何をできるかを探すことよりも、やってもらうことばかりを望む欲望が社会の中に広がり、ひいては、草の根レベルで自発的に役割を果たしてくれる人々が減っていってしまいかねない。だから、今は否定的な言葉よりも、建設的な言葉を積み重ねていきたい。


2)専門家を信頼する
1ともかぶる部分があるけど、各問題について精通したプロたちの知見と判断力を信頼する。内田さんのいう「委託」と重なる。当然のことながら自分は、原発のことも、余震のことも、交通整備のことも、泥土の取り除き方も、何も知らない素人だ。被災を免れた素人である自分は、災害に対する支援にあたって、専門家の知見を一番上に置き、その導く道筋に粛々と倣う。


3)具体的な援助は、募金と節電がベース
渡辺さんも書いているように、衣類や毛布、食料などモノを送ることは、下手をしたら邪魔なゴミになりかねない。状況がもう少しクリアになり、何がどれだけどこに必要なのかがわかるまでは、フレキシブルな形のお金でのサポートにした方が無難だと思う。
募金についていえば、渡辺さんが災害時の募金先をどこにするかを決めているのには感銘を受けたが、確かに募金先も吟味するべきだろう。
素人考えだけど、組織のランニングコストも考慮したら、100の組織が100円ずつ持っているよりも、4つの組織が2500円ずつ持っているほうができることの幅は広いような気がする。駅前で募金を集めているとついどんな団体か確認せずに入れたい気持ちになるけど、できるならそのあたりのお金の回り方も視野に入れて募金先を決めたほうがいいのかもしれない。
あとは節電。今バイト先の会社にいるけど、社員さんが帰った部署の電気・暖房は早速切った。電気ポットも使わないので抜く。


3日以内に70%の確率で震度7以上の地震がくるという恐ろしい予報があるが、来たとしてもパニックにならずに対応したい。